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人生で一番したくないこと

同僚のミカとババウ出張にきています。
目的は2つ、外人の犬猫の手術、そしてパルボワクチン普及。
NZ獣医(SPAW)にたくさんもらった麻酔を活かし、やっと条件が揃っての実現です。
4日間の滞在で2日半診療&手術、半日は農業省でのワークショップをしました。
ここババウには獣医がいません。そしてたくさんの外人さんが住んでいます。
前回のSPAWの出張は去年の2月末なので、犬猫の去勢避妊をして欲しい外人さんが寄付を集めて、1人分の往復航空券(約3万円)を手配してくれました。
それをミカの航空券代にしてもらい、私はパルボワクチン普及の出張計画もかねてJICAの出張旅費で来ることができました。
クリニックは外人さん経営のロッジの眺めの良いテラスで行いました。
テーブルとタオル2枚あればどこでも手術台が完成します。
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予約がびっしりだったので、ミカにも去勢を中心に執刀してもらい、2人が術者に専念できるよう外回りの仕事に助っ人をお願いしました。
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ババウJOCV(歯科衛生士&日本語教師)、そして旦那がババウで会計コンサルをしているというNZ人がお手伝いしてくれました。おかげで合計30頭以上の犬猫の診療をやりくりすることができました。
ミカはとてもよく頑張ってくれましたが、やはり手術者としての未熟さは浮き彫りになりました。
去勢時の結紮が不十分で血が止まらなくなったり、猫の避妊では子宮を引っ張りすぎてちぎってしまったり、色んなケースをこなす中で、お互い反省と経験を積むことができました。
かく言う私も小動物獣医としては未熟者です。しかし人の期待に応えたいがために、経験値の割に無理をしています。それもトンガにきてからずっとなので、無理にも慣れてきていました。こういうタイミングで事件は起きました。猫の麻酔事故です。何百頭、何千頭こなせば起こりうることですが、日本より薬の種類も少ないトンガではリスクは高いのです。そんなことはわかっていたはずなのに忙しさを言い訳に、飼い主に事前に充分な説明もせず、1匹の猫の命を犠牲にしてしまいました。SPAWと同じ麻酔プロトコールでしたが、これまでも同僚が一度、NZ人が一度、失敗するのも見たことがありました。でも自分で手を下してしまったのは初めてのことでした。思い返せばああすればよかったとか反省点は多々あります。いくら後悔しても反省しても謝っても、命は戻ってきません。冷たくなっていく猫を前に、たくさんの人がいる中で号泣してしまいました。最悪です。獣医失格です。もちろん飼い主さんも泣いていました。猫の命を奪ってしまったことだけでなく、人を悲しませてしまったこと・・・私が人生で一番したくないことをしてしまいました。責められはしなかったけど悔しくて情けなくて、たぶんトンガに来て以来、一番どん底まで落ち込みました。これまで色んな失敗はしてきたけれど、そこから得る教訓も大きく、また今度頑張ろうと大抵のことはポジティブに受け止めてきました。でも今回ばかりは失ったものの大きさと忘れられない人の涙が何度も胸に蘇ります。私のボランティアって何だろうという根本を考えました。やはりこれからも犬猫の手術は避けられません。もちろんボランティアなので、私の専門じゃないと断ることはできるけれど、期待に応えたい気持ちから頼まれたらまた引き受けることとなるでしょう。今もまだ苦しいけれど、怖いけれど、人生で一番したいことは人に喜んでもらうことです。ようやくそんな答えが浮かんできたので、残り任期も前向きに頑張っていかないとと自分に言い聞かせています。

コメント:

後悔も反省もいているよぉで…
それがこの場だけでなく、今後も教訓として心に残るのであれば、失敗が失敗のままで終わらないのであれば、それが供養であり謝罪なのかもしれないね。

しっかりしないと、逆に祟られちゃうかも?
2013/07/04(木) 07:35:27 |URL|どん兵衛 #- [編集]
まったくの他業種の僕が物を云うのはどうかと思うけど、今回のことは命と向き合う仕事の一番大変なところなんだろうね。

今回は取り返しのつかない失敗をしてしまったのかも知れないけど、今まではたくさんの命を救ってたくさんの人を喜ばすことをしてきたのだろうから、この経験も1つの糧にして次の命を救うべく成長していけたらいいね。

僕らはまだ30歳、業種は違えどお互い高みを目指して頑張ろう!
2013/07/04(木) 09:23:53 |URL|ウヨン #- [編集]
re
多くの病院から執刀を断られる患者を受け入れ、98%の成功率を持つ、ある心臓外科医が言っていました。今の自分があるのは、失敗があったからだ、そしてその失敗とは、自分の父親の心臓外科手術を執刀し、死に至らせたことだ、その時の悔しさや悲しさが、その後の自分の殻となり、心掛けていた真剣勝負に全身全霊で打ち込むようになった、98%の成功率までは、それでいけたが、今は99%を目標にしている。この1%はこれまでの1%アップさせるのとは全く異なり、途方もない努力と感性が必要だ、とね。
下を向かず、前を見つめて闇を彷徨えば、やがて深い闇に夜明けがきっとくる。ガンバレ。
2013/07/04(木) 17:35:45 |URL|TM #- [編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2013/07/05(金) 04:17:22 || # [編集]
>どん兵衛
後悔も反省もどんなにしてもしきれないよ。
きっとあの猫のことは今後もずっと心に焼き付いていると思う。
激励ありがとう。
2013/07/05(金) 06:25:56 |URL|akikokatsuno #- [編集]
>ウヨン
本当に獣医という仕事の重みを実感した。一瞬だけどやめたいとすら思ってしまった・・・
でも私たちには長い未来があるんだね。30歳なんてまだまだ駆け出しかなのもしれない。
命の取り返しはつかないけれど、仕事に終わりはない。これを糧に成長しないとだね。
2013/07/05(金) 06:44:04 |URL|akikokatsuno #- [編集]
>TMさん
感動的なお話ですね。
命を扱う人は誰もがこういう壁を乗り越えてきているのかもしれませんね。
私も今回のことを決して忘れず、ひとつひとつの症例に全身全霊をかけて打ち込みたいと思います。
励ましのコメントありがとうございました。
2013/07/05(金) 06:59:55 |URL|akikokatsuno #- [編集]
>おじじさん
あたたかいコメントありがとうございます。
この国の状況で対応しないと断れば困る人が多いのは事実でしょうから、前に進むしかありませんね。
事前説明、最善の環境づくり、様々なリスクを想定した上でベストを尽くす!
今回得たことを糧にまた頑張っていこうと思います。
残り3カ月もありませんが、また遊びにいらしてくださいね。
2013/07/05(金) 07:14:07 |URL|akikokatsuno #- [編集]
命を扱う仕事の重み。
これには本当に潰されそうになるよね。
どんなにその人のために頑張ってもたった1つでも間違えば命を奪ってしまう。
命がなくなった時自分の無力さに打ちのめされそうになったり、自分がもっと早く気がついていたらと後悔したり。
でもしっかり気持ちの整理がつかないまま走り続けると、気持ちが疲れて気力を失ってしまったりする。時には思い切り泣いて悲しみや悔しさをしっかり噛み締めてこそ、前に進む力になるんじゃないかな。
2013/07/05(金) 20:44:16 |URL|ゆかちん #- [編集]
>ゆかちん
命の重みと向き合わなければならない仕事、時には辛くて自分がつぶれそうにもなるけれど、
それを乗り越えてこそ大きなやりがいも感じることができるんだよね。
そしてこの仕事にゴールはないのかも、毎日が経験と反省、そして毎日が勉強の繰り返し。
もう立ち直れないんじゃないかと思うこともあるけど、まだまだ若い私達にはこの先何十年も、そんなことの繰り返しかもしれないね。
2013/07/08(月) 07:25:53 |URL|akikokatsuno #- [編集]

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akikokatsuno

Author:akikokatsuno
2011年9月26日~2013年9月26日まで、青年海外協力隊の獣医隊員としてトンガ王国で活動。トンガで感じたことを日本に伝えるためのブログです。帰国して現在、動物病院をやっています。
ポックル動物病院 http://pokkur-ah.com/

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